gorillarigo’s diary

Twitterの140字以内で表せない話をつらつらと書き綴ります。

小噺 美と死は近しきものなりや

【小噺 美と死は近しきものなりや】

 まぁそんなことはないのだが。今回は別にシリアスな話なんかではなく、主題に関係するキーワードがそういうものだったためタイトル詐欺をしただけである。関係が無い訳ではない。今回関係するキーワードは美と死、そして…風上さやかだろうか?

 ズバリ言うなら今回は九蓮宝燈の話。今回はもうゴリッゴリの麻雀の話。

九蓮宝燈という役は麻雀の中でも有名な役であり、アガれば死ぬなどと言われるほど出現する確率が低い役満である。私ごときが細々説明したところで何の重みもないと思うので、なんとなく解説するならばポーカーでいうところのロイヤルストレートフラッシュだろうか。まさしく競技の華というようなものである。

 さてこの九蓮宝燈という役何がどうって、とても美しいのだ。ここからちょっとある役の悪口を言う。国士無双だ。国士無双といえば、初心者でも知ってるというか、一番最初に覚える役満じゃないかなと私は思っているのだが、あれは汚い。全14枚で手を作る麻雀において、13枚しかない幺九牌では作り切らないために一枚のダブりが存在するようなまったく野蛮で粗野などうしようもない役満だと思っている。あれは本当に美しさという点においては、タンヤオよりダメだ。それに比べ、この九蓮宝燈という役はまったく美しさに極振りされている。ポケモンで言うならミロカロスくらい美しい。

九蓮宝燈という役には国士無双と同じように、最善の形では最後に一枚のダブりが必要となる。これだけ聞くならば国士無双と何ら変わらないような気がするし、初心者の方々はきっと似たようなものだと認識しているのではないか。が、実際は月とスッポン、提灯に釣鐘なのだ。九蓮宝燈という形は九蓮宝燈という役が仮に存在しない世界線であったとしても、9種類全てでアガれる形なのだ。つまりこれは超多面待ち清一色なのだ。この形以外に9面待ちは(実質)存在し得ない。

詳しく説明すると時間はかかるし、文字数もえらいこっちゃになるので割愛するが、この九蓮宝燈の形は147の3面待ち、258の3面待ち、369の3面待ちを全て兼ね備えた変形合体する最強かつ究極の役なのだ。変形の仕方はまさしく美の象形に他ならないのだが調べてほしい。真剣に解説すると、シャボ待ちや辺張待ちなど細かく分けられるのだが初心者はこれを本気で聞くときっと欠片も知らないスワヒリ語の外国語会話授業を聞いてるくらいの感じになるであろう。ジャンボ。

 とにかく、この九蓮宝燈というものはまったく美しい物で雀士にとって憧れてやまないものなのだ。私はまだ一度もアガったことはない。美にも死にも私はまだ遠いのだろう。意外と死のほうが近かったりするんじゃなかろうか、まさかね。

 ちなみに、比較のためにわざわざ貶したこの国士無双という役、私は結構コイツが好きで度々アガっている。だからといって決してコイツに好かれたくはないのだが……。国士無双という世界一醜く面倒くさく、しかしパワフルで結構お世話になるコイツについてもいずれまた話そうかな。コイツに対してそんな情熱があるかは知らんが。